断酒九十七日目

 断酒をはじめたきっかけが「死」

 

 臨終の間際、父は「ありがたい」「ありがとう」「感謝だ」「しあわせだ」という言葉をよく使っていました

 

 どのような気持ちだっただろうと想像するとたどってきた道のりを思い出してつらいことや思い通りにならないことがたくさんある中で人に恵まれ、かわいがってもらって良かったとすべてが肯定され出てきた言葉だったのかと思います。

 

 心配なことは残していく知的障害の息子。

 

 生きている間は「自分がいれば大丈夫」

 

 臨終の間際「託していくしかない」と泣きながら話しをしてくれました。

 

 知的障害の息子の笑顔を見て「あいつの笑顔は癒される。阿弥陀さんや」とまた、泣きます。

 

 下心とか悪意とか善意、ごますりなどの情意が一切含まれない息子の「微笑み」が阿弥陀仏のほほ笑みのように見えたのは父にとって最高の救いだったに違いありません。

 

 お見舞いや介護をする中で周りの者はイライラしたりする否定的な感情が目にでます。顔の現れます。もうすぐ寿命が尽きるというなかで父の目にはどのようにみえたでしょう。

 

 「相手が何を思っているかは見たらわかる」と何度も言うので「なるべく穏やかに過ごしたい」と周囲の人に伝えたりしました。生きていてほしいという思いがあるから仕方がありませんが、親族が「もっと食べよう」と父に言っているのでやめさせようとして「食べる」「食べない」「仕方がない」など言い争いをする姿を見せてしまったこと、死の準備をし始めて食べ物を受け付けなくなった父に辛い思いをさせてしまったかと思ったりします。

 

 まるで夢を見ているような感覚です。