深い悲しみをたたえた人

 最寄り駅まで送迎をします。

 

 駅の階段の下でわたしの車が見えなくなるまで見送ってくださる女性がいました。

 

 その姿に手を振った後「あのかたは非常に深い悲しみをこころに秘めていらっしゃる」と思い背筋がピンとなりました。

 お寺にかえってきて阿弥陀さまのお顔を見た時「あの女性の遠くを見つめる目」にそっくりだと思いました。

 

 深い深い悲しみを秘めている人は阿弥陀さまのように少しほほ笑みながら半眼なのかもしれません。そのようなことを感じます。

 

 海よりも深い悲しみがあるのだと思ったら読経をしないではいられなくなって意訳勤行を二度三度読み上げました。

 

 「しんじんのうた」を読み上げても気が収まらず「さんだんのうた」へ。

 

 『道を求めて たとい身は 苦難の毒に 沈むとも ねがい果さん その日まで しのびはげみて 悔いざらん』が「さんだんのうた」の最後の四行。

 

 穏やかなこころになって思ったことは「彼女は本当の大人なのだ…」でした。

 

 あみだほとけをおがまなん